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閉塞感を打ち破るには、若手を積極的に登用する政策が欠かせない。

正志です、国連の専門機関である世界知的所有権機関によれば、日本は研究開発の産物である特許の登録件数で長く世界首位だったが、15年に中国に抜かれ2位に落ちた。
有力 研究機関が公表する競争力ランキングでも日本はじりじりと順位を下げている。
日本では研究開発投資の約8割を企業が担い、科学技術全体が急速に弱っているかどうかは議論の余地があろう。
だが大学の活力低下は国際化の遅れなど他の指標からも見て取れる。
ネイチャーの警告は重く受け止めるべきだ。
何が活力を奪っているのか。
大学関係者からは、国が支給する運営費交付金の削減をあげる声が多い。
交付金は教員数などに応じて配分され、大学運営の基礎となってきた。
政府は04年度の国立大学法人化を機に毎年減額し、この10年間で約1割減った。
しかし、大学予算全体はそれほど減っていない。
政府は交付金を減らす代わりに、公募方式で研究者に資金獲得を競わせる競争的研 究費を増やしてきた。
本質にあるのは研究費不足ではなく、もっと構造的な問題とみるべきだ。
ひとつが研究者の高齢化だ。
ノーベル賞級の独創的な成果は若い頭脳から生まれやすい。
1980年代、大学では40歳未満の若手教員が4割を占めたが、いまは25%にまで下がった。
代わりに50~60代が半数近くを占める。
産業界などでは崩れてきた年功序列が、大学ではいまだに残ったままだ。
政策も失敗が続いた。
文部科学省は博士号をもつ若手を任期付きで雇用するポスドクを増やしたが、任期後の就職先がなく、収入や身分が不安定な高学歴ワーキングプアと呼ばれる若手研究者が増えてしまった。
閉塞感を打ち破るには、若手を積極的に登用する政策が欠かせない。
by next190dd | 2017-04-22 08:59 | 注目